日本神話が記載されている歴史文書一覧

天皇記
飛鳥時代に編纂されたとされる、日本最古級の歴史書です。
聖徳太子と蘇我馬子が関わったと伝えられており、歴代天皇の系譜や出来事がまとめられていたと考えられています。
しかし、645年の「乙巳の変(いっしのへん)」で蘇我氏の邸宅が焼かれた際に失われ、現在は内容が残っていません。
実物は存在せず、後世の文献に名前だけが記録されています。
国記
『天皇記』と並んで作られたとされる歴史書です。
国の成り立ちや政治、豪族に関する記録がまとめられていたと考えられています。
こちらも乙巳の変で焼失したと伝えられており、現在は現存していません。
断片的な情報しか残っておらず、詳しい内容は不明です。
古事記
712年に完成した、日本最古の現存する歴史書です。
天武天皇の命を受け、稗田阿礼が記憶していた内容を太安万侶が文章としてまとめました。
天地の始まりから神々の物語、そして歴代天皇の系譜までが描かれています。
日本神話を知る上で最も重要な文献のひとつです。
現存するのは原本ではなく、後世に書き写された写本です。
日本書紀
720年に完成した、日本最古の公式歴史書です。
舎人親王らによって編纂されました。
中国の歴史書を参考にした漢文体で書かれており、国家の正式な歴史として作られています。
『古事記』よりも政治的・外交的な視点が強く、複数の伝承が併記されているのも特徴です。
日本神話から持統天皇の時代までが記録されています。
風土記
奈良時代に各地の国ごとに作られた地誌です。
713年、元明天皇の命によって編纂が始まりました。
土地の名前の由来、地形、特産物、神話や伝承などが記録されています。
地域ごとの神話や民間伝承を知ることができる貴重な資料です。
現在、完全な形で残っているのは『出雲国風土記』のみです。
古語拾遺
807年に斎部広成によって書かれた文献です。
『古事記』や『日本書紀』では十分に語られなかった祭祀や神々について補う目的で作られました。
特に祭祀を担った斎部氏の立場から記されている点が特徴です。
神道や古代祭祀を知る上で重要な資料となっています。
延喜式
平安時代にまとめられた法令・儀式の細かな実施規則集です。
927年に完成しました。
朝廷の儀式、役所の仕事、神社祭祀の方法などが細かく定められており、当時の国家運営を知ることができます。
特に有名なのが「神名帳(じんみょうちょう)」で、当時朝廷が重要と認めた神社一覧が記されています。
先代旧事本紀
平安時代前期に成立したとされる歴史書です。
『古事記』や『日本書紀』の内容を取り入れながら、独自の伝承も多く記録しています。
特に物部氏に関する記述が豊富で、一部には他の文献には見られない神話も残されています。
一方で、後世の加筆や偽作説もあり、現在では内容を慎重に検討しながら研究されています。
長い間「聖徳太子と蘇我馬子が編纂した」と伝えられてきました。
しかし現在では、その説は後世につくられたものと考えられています。
実際の編者は不明ですが、平安時代前期ごろに、物部氏系の立場を持つ人物や関係者によってまとめられた可能性が高いとされています。
特に『天孫本紀』には物部氏の祖先や系譜が詳しく書かれており、物部氏の権威を強調する意図があったとも考えられています。
また、『古事記』や『日本書紀』から引用した部分も多く、完全な独自史書というよりは、既存文献をもとに再構成された歴史書という側面があります。